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プロジェクトストーリー

話題のアウトドア用品

『KINGチェア』。

その誕生の秘密に迫る。

発売からおよそ2年で累計出荷数1万個を超える大ヒットとなったナフコのPB(プライベートブランド)商品『KINGチェア』。横幅890mm、奥行き770mm、高さ910mmと、軽量&コンパクトこそが正義と言われるアウトドア用品としては破格の大きさを誇るこの商品は、一体どのような経緯で生まれ、この分野の『王』となったのか。ここでは開発に携わった2名のキーパーソンを迎え、人事部がインタビューを実施。当時の様子を振り返ってもらいました。

PROFILE
平河 豊プロフィール画像

事業推進部 事業部長

平河 豊

YUTAKA HIRAKAWA

2000年入社。福岡県南部と熊本の11店舗を担当するエリアマネージャー。本格的なキャンプはもちろん、ライトな庭キャンやバーベキューも嗜むアウトドア好き。趣味は料理。マイ包丁も持っていて、その腕前は家族のお墨付き。本人曰く「レストラン並みのコースもできます」。

谷野 正浩プロフィール画像

HI商品部 バイヤー

谷野 正浩

MASAHIRO TANINO

2012年入社。3000アイテム以上に及ぶアウトドア用品を担当するバイヤーで、PB商品の開発も担う。かつては人見知りのインドア派だったそうだが、今ではその面影はない。最近の悩み事は虫嫌いの奥さまをどうやってキャンプに連れ出すか。平河とは店舗時代の同僚で10年来の仲。

ゆったり&ふんわり。
「座り心地」をコンセプトにライトユーザーからの支持を獲得。

率直にお尋ねしますが、ここまでのヒットは最初から狙っていたことなのでしょうか?

平河

いやぁ・・最初は正直、売れると思ってなかったんですよ。私もキャンプは好きですし、周りには真冬でも山にこもって薪ストーブを焚くような『ガチキャンパー』も大勢いますけど、そういう人たちにしてみれば「こんなかさ張るものは持って行けないよ」と。

なんと!?ヘビーユーザー向けの王道商品じゃなかったんですね。

谷野

クッション内蔵で生地がふわふわ。王様気分でふんぞり返ることができるのが名前の由来なんです。折りたたみできるとはいえ、結構なサイズですからね(笑)。

平河

そうそう。どっちかと言うと今のキャンプのトレンドって身軽さ重視の方向性。それとはかけ離れてる商材ですから。

谷野

でも、アウトドアのファン層ってコロナ禍をきっかけに一気に裾野が広がってて。ベランピングとか庭キャン、「遠出はできないけどちょっと屋外でバーベキュー」とか。要するに、初心者が急激に増えた状態ですよね。彼らにしてみれば、まだハマるかどうかもわからないうちから、何万円もするようなブランド品は買いづらい。ここが攻めどころかな、と。チェアの品種拡大の一環として生み出されたのがこのKINGチェアだったんです。

平河

専門的なアウトドア用品というよりは、もともとナフコが得意にしている行楽用品やガーデン商材に近い要素があったんですよね。庭作業の合間にちょっと休憩、なんて使い方もあったりして。庭キャンにしろ庭作業にしろ、従来そこにはバタッと広げる簡易的なイスしかなくて、KINGチェアみたいな重厚感満載で「座り心地」が強みになるようなコンセプトの商品が存在しなかった。これがウケた一番の要因だと思います。

「座れないと始まらない」
部署を越えてつながるプロジェクトが
商品をヒットへ導く。

なるほど!ナフコのお客さま層にぴったりだったわけですね。でもそれだけでそんなに売れるものなんでしょうか?

平河

そこですよね。どんなに良い商品でも棚の中にきっちり納めてたんじゃ、たぶんダメだったと思いますよ。座り心地が強みなんだから、座れないと始まらない。そこで商品がより良く見えて、より機能が伝わるようにと考えたのが「さわれる・座れる」展示。発売当初から売場に見本を並べて、お客さまが自由に座って体験できるようにしました。プロジェクトチームでそういうアイデアが出たんですよ。

プロジェクトというと?

谷野

商品部と事業推進部がタッグを組んで、商品を売るための施策を考えていく取り組みです。DIYや園芸といった部門ごとに各々プロジェクトがあって、私と平河さんはアウトドア用品のプロジェクトチームに所属しています。

平河

10人ぐらいのメンバーがいて、定期的に集まってはミーティングを重ねて。つい先日も八幡東店の新装オープンに備えて、チームのみんなでレイアウトを決めて商品手配をお願いしたところです。見せ方や演出面はわれわれ事業推進部の得意分野。日ごろから売場やお客さまに近いところで仕事をしていますので。

谷野

一方で商品そのもののこととなると、私たち商品部が主導します。特に、価格と価値を吊り合わせるのがバイヤーの腕の見せ所で、いかに必要とされる品質を保ちつつ価格を下げられるかがポイントです。KINGチェアのようなPB商品の場合も同様に、素材を変えたり、産地を変えたり、時には機能をそぎ落としたり。逆に、付加価値を持たせるために材質のクオリティを上げたりすることもあります。どこまでやるかはやっぱりお客さま次第なので、事業推進部を通して現場の生声に触れられるプロジェクトという枠組みは、すごく意味があるんですよね。

店内の様子

現場に任せてくれるから、
新しいことへの挑戦心が湧いてくる。

ヒットの裏にはそんな取り組みがあったんですね。

平河

やっぱりコケるのは怖いじゃないですか。だからプロジェクト制になる以前は、せっかく良い商品ができても小さく小さく・・になりがちでした。でもそこにプロジェクトが入ってくると、売る側も全面的に協力してみんなで取り組むのでチャレンジがしやすいんですよね。「5000発注して。大丈夫、こっちで売るから」なんて声も上がったりして。

谷野

批判的なことより「こうしたら売れる」っていう前向きな意見が多いですよね。とはいえ、KINGチェアも初回ロットは1000ぐらい。これ通常の新商品と比較しても半分程度ですよ。「試したい」とは思うものの、それぐらい慎重になるような新しい提案でしたから。でも、ふたを開けてみれば、初心者から火がついて爆発的に売れました。翌年は数も一気に10倍ですからね。

平河

口コミもあって、ベテランキャンパーの人たちにも新しいジャンルとして提案できたと思います。私もこの一件を通して、自分がいかに固定概念で凝り固まっていたか、気づかされましたよ(笑)。以降は売場の演出もどんどんブラッシュアップしていきました。壁沿いに木材をいくつか立てて森の中にいるような売場にしてみたり。一瞬座る、じゃもったいないですからね。ゆったり気持ちよく座れる空間づくり。これが「さわれる・座れる」に続く「浸れる」展示です。こういうのを現場の意向でどんどんできるのがナフコのいいところ。

まさに現場第一主義ですね。

谷野

確かに。作業ってどうしても定型化していくんで、現場主導の新しいことへの取り組みって大事ですよね。おかげさまでKINGチェアも2年目からはカラーバリエーションが増えて、女性向けに一回り小さくした派生商品『QUEENチェア』も誕生しました。ベランダやお庭に出しっぱなしだと撥水機能があってもいいかもな、と検討を進めているところです。ここから先の進化の様子は、ぜひ売場でご確認ください!

平河

うん!最後にいい宣伝してくれた!

さすがのチームワークですね(笑) 本日はありがとうございました!

スタッフお気に入りアイテム
平河 豊 お気に入り!

フレイムストーブ
MAX MINI MESH

一時期は品薄になるほどバズったMAXの小型版。こちらはさらに側面が網目になったメッシュタイプです。ゆらめく炎が見えるから心まで癒されます。

フレイムストーブ MAX MINI MESH
谷野 正浩 お気に入り!

イージーアップ
ソロテント

テントって立てるのが大変なイメージありません?これならワンタッチで設営・収納ができるからソロキャンでも便利。ちなみに前幕付きも開発中です。

イージーアップソロテント